お金のことを勉強するようになったきっかけ
私が株式投資を始めたきっかけについては以前の記事で書いたとおりですが、当初は株主優待などが目についた銘柄をごくごく少額おっかなびっくり売買していました。
そこから一歩進んで本格的に勉強するようになったのは実は借金の返済がきっかけでした。
…という書き方をすると何やら重たい空気が漂ってきますが、要は大学時代に借りた奨学金のことです。
私が借りていたのはきぼう21プランという返済利子がつくタイプで、ほとんどが奨学以外の用途に消えたものの、仕事を始めてから毎月少しづつ返済していました。
社会人になってから数年経ち、多少の貯金ができた時に親から奨学金の繰上げ返済を強く勧められました。
しかし、頑張って貯めたお金が無くなってしまうのはあまり面白くないのが人情、はたして返済するのが本当に妥当なのか、と疑問を持った私はグーグル先生の協力のもと、綿密なリサーチを行いました。
すると、意外なことにこの奨学金の金利は0.8%前後と非常に低い。(2010年時点)
…ということは、自分の貯金を0.8%以上の利回りで運用できれば奨学金を一括で返済するよりも得ではないかっ!!
借金はとにかく早く返すべき、という親世代の常識に縛られていた私にとってはまさにコペルニクス的発想の転換でした。
(ちなみにこの借入金利と運用利回りとの差をイールドギャップといい、ファイナンスの世界では割と一般的な概念です。)
そんなひらめきを得た私は、目を皿のようにして銀行預金の金利を調べまくりました。
0.8%なんてどこかの定期預金で簡単に越えられるだろう…当初はそんなふうに考えていました。
…しかし、調べるうちに、それがとんでもない勘違いであったことを思い知らされたのです。
それもそのはず、長期不況に苦しむ我が国の経済状況下、預金金利は長年ほぼゼロ近辺に貼りついており、某メガバンクの定期預金金利は0.02%、比較的金利が高いネットバンクでも税引き前で0.2%つけばいいところ。雀の涙、と例えようものならスズメさんに怒られかねない極小の金利しかつきません。
考えてみれば、銀行預金以下の利率で、信用力に劣る個人にお金を貸すわけがないのが当たり前。
リスクのない資産ではまともな利回りが期待できないことを悟った出来事でした。
その後、お金の勉強をする過程でポートフォリオ・マネジメントによる資産運用に行き着くのですが、それについてはまたの機会に。